フォントが“声のトーン”を決める
同じ文章でも、フォントが変わるだけで印象はまったく違います。 丸みのある文字は「やさしい声」に、 角のある文字は「専門的で信頼できる声」に聞こえる。
つまり、フォントは文章の“話し方”です。 どんなに内容が良くても、文字が読みにくかったり、トーンが合っていなかったりすると、 患者様は無意識のうちに「なんだか違う」と感じてしまいます。

なるほど…。フォントって“声のトーン”みたいなものなんですね。



そうなんです!
医療サイトでは、見やすさと信頼感を両立できるフォント選びがとても大切なんですよ。
読みやすさを最優先にする「ベースフォント」
まず大前提として、医療サイトにおけるフォント選びで一番大切なのは、 「誰にとっても読みやすいこと」です。
フォントには大きく分けて2種類あります。 ゴシック体(サンセリフ)は、線が均一で視認性が高く、 明朝体(セリフ)は、線の強弱があり上品で落ち着いた印象を与えます。



ゴシック体は見やすいけど、少し無機質な感じもしませんか?



いいところに気づきましたね。
ゴシック体は視認性重視、明朝体は印象重視。
だから医療サイトでは、本文をゴシック体で整え、見出しに明朝体を使うという組み合わせが理想です。
- ゴシック体(Noto Sans / ヒラギノ角ゴなど) → 読みやすさ・親しみ・信頼感
- 明朝体(Noto Serif / 游明朝など) → 品格・専門性・落ち着き
- 丸ゴシック体(Rounded) → やさしさ・柔らかさ・子ども向け
本文にはゴシック体を使うことで、スマホでも見やすい設計に。 そして見出しやキャッチコピーで明朝体を使うと、品のある印象に仕上がります。
医療分野ごとに違う「フォントトーンの設計」
フォントは、医院の診療スタイルやターゲット層によって変えるのが理想です。 なぜなら、患者様が求める“雰囲気”に合ったトーンを伝えるため。
一方で、要素ごとに間隔をとり、見出しを整理するだけで、 自然と読みやすく、印象も整うのです。



なるほど…。では、たとえば小児歯科と審美歯科では違う方がいいんですね?



その通りです。
たとえば小児歯科なら、丸みのあるゴシック体が向いています。
一方で審美歯科や再生医療などの専門分野では、細めの明朝体やスタイリッシュなフォントが合います。
- 一般歯科・内科など → 標準的なゴシック体で読みやすさを重視
- 小児歯科・小児科など → 丸ゴシックで柔らかく親しみやすい印象
- 審美・矯正・再生医療など → 明朝体や細字フォントで上品かつ専門的に
- 訪問歯科・地域密着型医院など → 太めゴシックで安心感と信頼性を演出
このように、フォントの「形」と「太さ」だけで医院の印象が変わるのです。 ターゲットに合わせたトーン設定が、ブランディングの第一歩になります。
「行間」と「文字間」が生み出す“呼吸感”
p>どんなに良いフォントを選んでも、行間や文字間が詰まりすぎていると、 読みにくく、息苦しい印象になります。
逆に、少し広めにとることで、余白が呼吸を生み、読みやすさと安心感を両立できます。
医療サイトにおける“やさしさ”は、実はこの行間と余白のバランスから生まれているのです。



たしかに、行間が狭いと読みにくいですね。
でも広すぎても、間延びして見えませんか?



その通りです。
行間は文字サイズの1.6〜1.8倍、文字間はやや広めを目安にすると読みやすくなります。
ページ全体のトーンに合わせて、“呼吸感のあるデザイン”を意識してみてください。
- 行間=フォントサイズの1.6〜1.8倍
- 文字間=やや広め(0.05〜0.1em程度)
- 段落の間隔をしっかりとることで視線が迷わない
- 行頭をそろえ、整った印象をキープ
見やすい行間・文字間は、それだけで“整っている医院”という印象を与えます。 フォントデザインは、無意識の信頼感を育てる要素なのです。
医療サイトで避けたいフォントの失敗例
意外と多いのが、「見やすくしたつもりが逆効果」になるケース。 以下のようなフォント選びは注意が必要です。
- 丸ゴシックを多用しすぎる → 幼すぎて信頼感が下がる
- 明朝体を小さい文字に使う → 細すぎて読みにくい
- フォントを複数使いすぎる → 統一感が失われる
- 太字を多用する → 見出しの強弱がなくなり、視線が散る



うわ…思い当たるところがあります(笑)



よくあります。
でも大丈夫。ルールを決めて使い分けるだけで、すぐに整った印象になります。
フォントは“少なめ・大きめ・ゆったりめ”が基本ですよ。
まとめ|フォントは医院の“人格”を映すデザイン
フォントは、医院の理念や姿勢を無言で語るデザイン要素です。
誠実で落ち着いた医院は細く端正な文字、 親しみやすく温かい医院は丸みのある文字。
この違いが、患者様の心に印象として残ります。



フォントを変えるだけで、医院の“雰囲気”まで変わるんですね。



そうなんです。
フォントは“医院の人格”を見せる鏡。
だからこそ、「何を伝えたいか」を意識して選ぶことが大切なんです。
- フォント=文章の話し方。印象を決める要素
- ゴシック体で読みやすく、明朝体で専門性を演出
- 行間と余白が“やさしさ”を生む
- フォント選びは医院のブランド設計の一部



文字を整えることは、医院の信頼を整えること。
“フォントの声”で伝わるデザインを、ぜひ取り入れてみてくださいね。
⑤ 写真とテキストのバランスで伝わるデザイン構成
写真に頼らず、言葉と構図で信頼を高める方法を解説します。
- フォントは印象を決める「声のトーン」
- ゴシック体×明朝体の組み合わせでバランスを取る
- 行間・文字間で“読みやすい安心感”を作る
- ターゲット層に合わせてフォントのトーンを変える