「清潔だけど冷たい」──そんな印象になっていませんか?
医療サイトで最も大切なのは「清潔感」。 だから多くの医院が、白と青を基調にしたシンプルなデザインを採用しています。
しかし、時々こんな声も聞きます。

「きれいなんだけど、ちょっと冷たく感じると言われてしまって…」



ありますね、それ。
実は“清潔感”を追求しすぎると“無機質さ”が出てしまうことがあるんです。
大事なのは、“清潔さの中に人の温度を残すこと”。
今日はそのデザインの工夫を一緒に見ていきましょう。
「清潔感」は“光”で作る
まず、清潔感は色よりも「明るさ(光)」で作られます。 背景を白にするだけではなく、光を感じるトーンでまとめることが大切です。
白の中にも、純白・乳白・グレーがかった白などさまざまな種類があります。 純白は強い印象を与えますが、場合によっては冷たく感じることも。 そこで、ほんの少し暖色寄りのホワイトやアイボリーを使うと、 清潔感を保ちながらもやわらかい印象に変わります。



白って、全部同じじゃないんですね。



そうなんです。
“光の白”は冷たく、“空気の白”はあたたかい。
医療サイトでは、後者の“空気感のある白”を選ぶことで、安心感が生まれます。
- 背景の白は純白ではなく、少しだけ暖色トーンに
- 光の方向を意識して陰影をつける
- グレーや淡いベージュで“立体感”を出す
- 青系や緑系をアクセントにして衛生的な印象に
このように“清潔感=白”ではなく、“光の設計”として白を使うと、サイト全体が自然に整います。
「温かみ」は“素材感”と“色のゆらぎ”で生まれる
温かみは、色の濃淡や素材の質感から感じられます。
たとえば、背景や見出しにベージュ・ペールピンク・木目調の写真を少し取り入れると、 冷たさを中和してやわらかい印象になります。



木目やピンクを入れると、清潔感が下がりませんか?



大丈夫です。
ポイントは、“少しだけ差し込む”こと。
面積を大きく使わず、写真やアイコンの背景などに控えめに使うと上品にまとまります。
- 自然素材(木目・布・紙)の写真を部分的に使用
- 淡いベージュやピンクで色の温度差をつける
- 丸みのあるアイコンや角丸ボタンで柔らかさを表現
温かみとは、派手さではなく“人の存在を感じるデザイン”のこと。 ほんの少しの“ゆらぎ”があるだけで、無機質な印象が一気に変わります。
「清潔感×温かみ」の黄金比は“7:3”
医療サイトにおいて、清潔感と温かみを両立するバランスは、7:3が理想です。 ベースを白・青・グレーでまとめ、そこに温かい色をアクセントとして入れます。



温かみを足しすぎると、医療っぽくなくなりますよね。



そうなんです。
主役は清潔感、温かみは“添える”感覚。
たとえばロゴや見出しに少しピンクを入れるだけでも、印象はぐっとやさしくなります。レットでも同じ考え方ですよ。
- 白・青・グレー:70%(清潔感)
- ベージュ・ピンク・アイボリー:30%(温かみ)
- 写真やロゴで“人の気配”を感じさせる
この“7:3バランス”を意識するだけで、どんなサイトでも信頼と安心の両立デザインになります。
「温度を感じるフォント・写真・光」
デザイン全体のトーンを整えるとき、 配色以外にも“温度感を持たせる要素”を意識すると効果的です。
- フォント:角が丸いゴシック体、または細い明朝体を使用
- 写真:やわらかい光で撮影し、コントラストを抑える
- アイコン:直線ではなく、角丸や線の太さに差をつける
- 照明の色味:白すぎず、少し暖色系のトーンを意識



こういう小さな工夫が、全体の印象を左右するんですね。



そうなんです。
デザインは“細部の温度”で決まります。
清潔さと温かさが共存していると、「人にやさしい医院」という印象が自然に伝わります。
患者様の心理に寄り添う「温度デザイン」
患者様が医療サイトを見るとき、求めているのは情報だけではありません。 「この医院なら安心できそう」「怖くなさそう」という“感情の安心”です。
だからこそ、冷たすぎず、でも優しすぎないデザインが理想。 誠実さの中に、ぬくもりを感じるバランスが信頼につながります。



デザインって、結局“気持ち”なんですね。



まさにそうです。
医療デザインは、患者様の不安をやわらげる“心理設計”。
見た目の清潔さだけでなく、心の温度をデザインすることが大切なんです。
- 清潔感=光と余白で作る
- 温かみ=素材感と配色で添える
- 黄金比は7:3。清潔感をベースに温かさを添える
- 人の存在を感じる“温度デザイン”が信頼を生む



“冷たくない清潔さ”が、患者様の心に届くデザイン。
それが、信頼を生む医療サイトの新しい基準ですね。
⑦ “安心感を感じる”医療サイトのビジュアル設計
トーン・コントラスト・余白のリズムで、心を落ち着かせるデザイン心理を解説します。
- 清潔感と温かみのバランスが信頼を生む
- 白のトーンと素材感で空気感を演出
- 黄金比は清潔7:温かみ3
- “冷たくない清潔さ”が医療デザインの理想