1. 可視化のゴール(ロゴ・カラー・フォントが担う役割)
パソコン苦手な院長デザインって難しい…。実務的には、何を揃えればいいんでしょう?



ゴールは「医院らしさが一目で伝わる」こと。
役割はこう整理できます。
ロゴ=記号化した理念、カラー=感情の導線、フォント=語り口。この3つを統一すると、Webも院内も“同じ人が話している”ように感じられます。
2. ロゴの作り方・育て方(最小ルールでブレをなくす)



ロゴは既にあります。作り直さないとダメですか?



作り直しは必須ではありません。まずは運用のルールを作ること。
ロゴは最小サイズ(例:横幅120px以上)とロゴ余白(ロゴの高さ=1×の余白)を決め、背景色・禁止事項を定義します。これだけで“雑さ”が消えます。
| 項目 | 推奨ルール例 | 理由 |
|---|---|---|
| 最小サイズ | 横幅120px以上(印刷は25mm以上) | 視認性と再現性を担保 |
| 保護余白 | ロゴ周囲に“ロゴ高 1×”以上の余白 | 窮屈さを防いで高級感UP |
| 背景 | 白/#F7FAFC/淡色のみ | 清潔感・可読性の確保 |
| 禁止 | 影・縁取り・傾き・伸縮・透過重ね | “らしさ”の破綻を防ぐ |
ロゴの単色版(白・濃紺)も用意しておくと、写真上や暗色背景でも美しく使えます。PNG/SVG/EPSの3形式で保管しましょう。
3. カラー選定:主・従・差し色の「3色設計」



色の組み合わせが難しいです。何色使えばまとまりますか?



3色設計に絞りましょう。
メイン(医院の顔)、サブ(面を作る背景色)、アクセント(ボタン等の差し色)。使う場面を固定すると、統一感が生まれます。
| 役割 | 推奨カラー例 | 使用場所 | ポイント |
|---|---|---|---|
| メイン | #144E85(ディープブルー) | 見出し・リンク・装飾線 | 清潔・誠実・専門性 |
| サブ | #F7FAFC(ペールブルー) | 背景・ボックス面 | 白より目に優しく、上品 |
| アクセント | #289DD5(アクアブルー) | CTAボタン・重要タグ | クリックを促す差し色 |
4. フォント選びは“語り口”選び(可読性×人柄)



フォントって、どれを選べば医院らしさが出ますか?



見出し=力強く読みやすい角ゴ、本文=疲れにくいゴシックが基本です。
柔らかさを出したい医院は、見出しに丸ゴを使うのも◎。数字は“等幅”を選ぶと料金表が揃って見えます。
| 目的 | 見出し候補 | 本文候補 | 相性 |
|---|---|---|---|
| 専門性・信頼 | Noto Sans JP Bold | Noto Sans JP Regular | くっきり&堅実 |
| やさしさ・親近感 | Rounded M+ | Noto Sans JP | やわらか×読みやすさ |
| 上質・落ち着き | Hiragino Kaku Gothic W6 | Hiragino Kaku Gothic W3 | 端正で疲れにくい |
5. ロゴ・カラー・フォントを“ひと目で共有”するミニガイド



院内で統一するのが難しいです。スタッフに何を渡せば伝わりますか?



1枚のミニガイドにまとめましょう。PDFや画像でOK。
内容:
① ロゴ(OK/NG例・余白)② 色(#コード・使用箇所)③ フォント(見出し/本文/数字)④ ボタン文言(CTA)⑤ 写真トーン(露出・背景色)。
「30秒でWeb予約」/「まずは無料相談」/「今週の空き枠はこちら」
6. 院内外の“使い分け”でブレを減らす(Web・紙・看板)



SNS、チラシ、看板…媒体ごとに見え方が違います。統一のコツは?



色は媒体特性に合わせて微調整します。紙はやや暗く・濃く、モニタは明るめに。
看板は遠目で読めるようコントラストを最大化(白×濃紺/黄みを抑える)。QRは短URLを添え、間口で「Web予約はこちら」を明記。
7. 写真のトーン&フレーミング(“一枚”で医院の人柄を見せる)



写真の統一感が出ません。簡単なルールはありますか?



3つだけ守ればOK。
① 背景:#F7FAFC系の明るさ(白壁・木目を少し)
② 明るさ:自然光+露出は+0.3〜+0.7
③ 色味:青緑に転びすぎないよう、ホワイトバランスを“やや暖色”に調整。人肌が健康的に見えます。
8. アクセシビリティと法的配慮(信頼を落とさない設計)



色やフォントに決まりはありますか?法的に気をつけることも知りたいです。



本文と背景のコントラストは4.5:1以上が目安。フォントサイズはスマホで16px以上、行間1.7。
医療表現は断定的表現・優位性の誤認に注意。症例提示には条件・個人差の注記を。
赤×緑の組み合わせに頼らず、太字・下線・アイコンなど複数手段で強調。
9. ブランド一貫性チェックリスト(月1の点検用)
- ロゴ:最小サイズ・余白・単色版の運用は遵守されているか
- 色:#144E85/#F7FAFC/#289DD5の役割が守られているか
- フォント:見出し・本文・数字の使い分けが統一されているか
- 写真:明るさ・背景・肌色のトーンは統一か
- CTA:文言テンプレと配置が共通か(ヘッダー/ヒーロー直下/フッター)
10. まとめ:見た目の一貫性が“選ばれる理由”になる
- ロゴ=理念/カラー=感情/フォント=語り口を一本化
- 3色設計(主:#144E85/従:#F7FAFC/差し:#289DD5)で迷いゼロ
- フォントは見出し:角ゴ/本文:可読性重視、数字は等幅
- ミニガイド1枚で院内共有、媒体ごとに微調整
- コントラスト・法的表現・写真トーンで信頼を損なわない
次回記事のお知らせ(⑦ キーカラーを1色に絞ると“統一感”が生まれる)
次回は、色数を絞って一貫性と可読性を高める設計。キーカラー選定のコツ、トーンの調整、ボタン・リンク・見出しの配色テンプレまで具体的に紹介します。









