目次
1.トーン&ボイスとは?
「トーン&ボイス」とは、ブランドが“どんな声で話すか”を決めるルールです。
デザインの統一と同じように、言葉の統一が医院の信頼をつくります。
用語の整理
- トーン(Tone):感情的な“温度”や“雰囲気”
例)やさしい・誠実・落ち着いた・専門的 - ボイス(Voice):言葉づかいの“人格”や“立ち位置”
例)先生として話す・チームとして語る・患者様と対話する
トーン&ボイスを整えることで、患者様は「この医院は自分に合う」と感じやすくなります。
2.医院のトーンを決める3つの視点
医院のトーンは、理念・対象・地域性の3つから導くとブレがありません。
| 視点 | トーンの例 |
|---|---|
| 理念から | 「やさしさ」や「信頼」を大切にするなら、柔らかく丁寧なトーン |
| 対象から | 子どもや高齢者が多い医院なら、安心感を重視した親しみやすいトーン |
| 地域性から | 都心ならスマートに、地方なら温かみを感じる表現に |
この3要素をもとに、「医院がどう聞こえたいか」を言葉で定義しておくと、デザインやコピーの方向性も決めやすくなります。
3.ボイスを整えるための“言葉のルール”
医院がどんな「声」で話すのかを示すのがボイスです。
そのためには、スタッフ全員が共通認識を持てるように言葉のルールブックを設けましょう。
ボイス設計のチェックリスト
- ・「患者様」「お子様」など、敬称を統一
- ・「当院」「私たち」など、一人称を統一
- ・語尾のトーン:「〜です・ます」調で統一
- ・否定表現を避け、安心感を与える言い回しに
- ・感謝・励まし・希望のメッセージを優先
これらを決めておくと、パンフレット・SNS投稿・メール配信など、誰が書いても医院の声がブレない状態を保てます。
4.トーン&ボイスを“見える化”する
抽象的な「やさしい」「誠実」などの言葉だけでは、スタッフに伝わりにくいもの。
実際の文章例や配色・写真トーンとセットで見える化しておくと効果的です。
たとえば、トーンが「やさしい」であれば、 ・配色は淡いブルーやグリーン ・文章は語尾をやわらかく ・写真は笑顔や自然光を中心に といったように、視覚と文章が一致します。
言葉のデザインとビジュアルデザインを合わせることが、医療ブランディングの完成度を高めるポイントです。
5.ぱそあんのまとめ
ぱそあんのまとめ
- トーン&ボイスは“医院の声”をデザインするルール
- 理念・対象・地域性からトーンを導くとブレない
- ボイスは言葉のルールを整えて統一感を保つ
- 文章とデザインを一致させるとブランド力が高まる
次回シリーズ予告(95:医院ブランディングを強化する“ビジュアルアイデンティティ”)
次回は、ロゴ・カラー・写真などの視覚要素を通して、医院の印象を統一するビジュアルアイデンティティの設計法を解説します。

