1.「伝わる言葉」は“正確さ+親しみ”でできている
パソコン苦手な院長専門的な表現を使わないと、信頼が下がる気がしてしまいます。



実は逆です。
難しい言葉を“やさしく言い換えられる先生”のほうが、患者様には理解力と誠実さを感じさせます。
「専門性を隠さず、やさしく伝える」ことが最も信頼を高める方法です。
- ① 専門語を生活の言葉に変える(例:咬合→噛み合わせ)
- ② 比喩やイメージで補う(例:神経→歯の中心にある“命の管”)
- ③ 患者様が検索する語に寄せる(例:補綴→被せ物・詰め物)
2.歯科でよく使われる専門語と言い換え例
よく使われる歯科用語を中心に、「説明時にそのまま使うと伝わりづらい」言葉を整理しました。 院内掲示・ホームページ・パンフレットすべてで語彙の統一を意識しましょう。
| 専門語 | やさしい表現 |
|---|---|
| 補綴 | 被せ物・詰め物の治療 |
| 咬合 | 噛み合わせ |
| う蝕 | 虫歯 |
| 歯髄 | 歯の中の神経 |
| 支台歯 | 被せ物を支える歯 |
| インプラント埋入 | 人工の歯根を入れる手術 |
| 矯正装置 | 歯並びを整える装置(マウスピースなど) |
| 歯周疾患 | 歯ぐきの病気 |
| 再根管治療 | 一度治療した歯の根をもう一度きれいにする治療 |
| ブラキシズム | 歯ぎしり・食いしばり |
3.“難しい言葉”のままでは伝わらない理由
専門語は医療従事者にとって「正確な表現」ですが、患者様には経験のない音の並びです。 脳は「知らない言葉」を処理する際に強いストレスを感じるため、読まずに離脱してしまいます。
つまり、言葉の難しさが原因で「説明が難しい医院」という印象になることも。 言い換えは、単に分かりやすさの問題ではなく、ブランディングの一部なのです。
4.言葉を「2段階」で整える
すべての表現を簡単にするのではなく、伝える順序を工夫します。
- ① やさしい言葉で概要を伝える(例:「歯ぐきの病気のことを歯周病といいます」)
- ② 正式名称で専門性を補足する(例:「医学的には歯周疾患と呼ばれます」)
この順番で説明すれば、読み手にストレスを与えず、 やさしさと専門性の両立が実現します。
5.やさしい言葉にも「トーン」を持たせる
やさしい表現を使うほど、語尾やトーンが大切になります。 「〜してあげます」より「〜をお手伝いします」「〜をサポートします」のように、対等で丁寧な言い方を意識しましょう。
6.スタッフ全員で“語彙の統一”を
ホームページ・パンフレット・説明書き・院内掲示など、使用する語彙をスタッフ全員で統一しましょう。
これにより、患者様の混乱を防ぎ、「どのスタッフに聞いても同じ答え」という信頼につながります。
7.SNS・LINEでも“やさしさのトーン”を保つ
InstagramやLINEなどでは、話し言葉が中心になります。 ただし、医療の信頼を損なわないために「フレンドリーすぎないやさしさ」を心がけましょう。 例:「ぜひ一度ご相談ください😊」→「お気軽にご相談くださいませ。」
8.“言い換えリスト”を運用で活かす方法
医院では「よく使う言葉のリスト」を作成し、スタッフ全員で共有するのが効果的です。 Wordやスプレッドシートでまとめ、定期的に更新することで、医院の表現ガイドラインとして機能します。
- ・リスト名:「患者様向けやさしい言葉リスト」
- ・管理者:広報・受付リーダーなど
- ・更新頻度:月1回または新メニュー導入時
- ・共有方法:Googleスプレッドシート+院内掲示
9.ガイドライン遵守とリスク回避
「痛くない」「確実に治る」など、誇張表現は避けましょう。 やさしい言葉でも、誤解を与える表現は医療広告ガイドライン違反にあたる可能性があります。 「できる限り痛みに配慮します」「安全性に配慮した治療です」など、姿勢を伝える表現にしましょう。
10.ぱそあんのまとめ
- 専門性は「やさしさ」で伝えると信頼に変わる
- 患者様が使う言葉に語彙を寄せる
- 説明はやさしい→正式名称の順で
- リスト化してスタッフ全員で統一
- 誇張せず、姿勢で伝える表現を心がける









