「第一印象」は3秒で決まる

うちのホームページ、なんか“真面目すぎる”って言われたんだけど、どうしたらいいんだろう?」



それは“色”の印象が関係しているかもしれませんね。
人はサイトを開いてたった3秒で印象を判断すると言われています。
この“3秒”の中で最も強く作用しているのが、「色の印象」。
同じ内容でも、色のトーンやバランスが違うだけで、
「優しそう」「冷たそう」「信頼できそう」「ちょっと怖いかも」など、まったく違う感情を抱くのです。
たとえば、真っ白な背景に濃い青文字だけのページだと、
誠実だけど“硬い印象”に見えることがあります。
一方で、少し水色を混ぜたり、見出しに淡いグリーンを入れるだけで、ぐっと親しみやすくなるんです。
見た瞬間に「清潔そう」「優しそう」と感じてもらえれば、
文章を読む前から“信頼感”が生まれます。
つまり、色は“医院の人柄を伝える最初のメッセージ”なんです。
1.色は「感情を動かす」デザイン要素



先生、“色”は情報じゃなくて“感情”を伝えるツールなんです。



感情を伝える…って、言葉じゃなくても?



はい。色は言葉よりも早く、見る人の気持ちを動かします。
たとえば、同じ「歯科医院」というサイトでも、色によって印象がこんなに違います。
カラー | 与える印象 | 向いている医院例 |
---|---|---|
ブルー系 | 清潔・信頼・冷静 | 一般歯科・矯正・インプラント |
グリーン系 | 安心・優しさ・自然 | 小児歯科・予防・ファミリー向け |
ピンク系 | 柔らかさ・思いやり・女性らしさ | 審美歯科・ホワイトニング |
ホワイト×ゴールド | 上質・特別感 | 自費中心・美容歯科 |
ベージュ系 | 落ち着き・温もり | 地域密着・家族で通える医院 |
これを見るだけでも、「色=医院の性格」が見えてきますよね。
2.色で“怖さ”をやわらげるコツ



なるほど…。でも、青を使えば清潔感が出ると思って、全体を青くしたんだよね。



青はいい色ですが、“寒色の落とし穴”があるんですよ。
青は信頼感や清潔感を与える一方で、冷たく・堅い印象になりがちです。
そのため、青をベースにするなら、「明るさ(明度)」と「やわらかさ(彩度)」を調整しましょう。
・背景に淡い水色(#EAF6FBなど)を使う
・見出しに中間の青(#289DD5など)を使う
・CTAボタンに温かみのあるブルーグリーン(#2B7CBBなど)を差し色にする
これだけで、同じ“青系”でも冷たさが減り、親しみやすくなります。



さらに、白だけでなく淡いグレーやベージュ背景を組み合わせると、目にも優しくなりますよ。



なるほど、背景も“色の一部”なんだね。
青は「誠実さ」「清潔感」「集中力」を高める万能カラー。
ただし“使い方”次第で冷たくも温かくもなります。
背景の白に少し色味を加えることで“やさしい青”に変えられます。
3.補色バランスで“見る人の視線”を誘導



色って、どこに何を置けばいいか迷うんだよね。



実は、“視線の流れ”も色でコントロールできるんです。
色の明暗(コントラスト)は、目の動きを自然に導く力を持っています。
たとえば、淡い背景の中に濃いボタン色を置くと、そこに目が行きます。
CTAボタンや「予約はこちら」は、周囲の色とコントラストをつけるのが鉄則です。
さらに、補色(反対の色)を上手に使うと、全体が引き締まります。
例
・青 × オレンジ(誠実+元気)
・緑 × ピンク(安心+やさしさ)
・ベージュ × ネイビー(落ち着き+専門性)
補色の力で、メリハリが出て“覚えられるサイト”になります。
4.色が“医院の記憶”を作る



人は“文章”よりも“色”で記憶しているんですよ。



え、文章じゃなくて?だよね。



はい。ロゴの色を見ただけで医院を思い出せるなら、色がブランドになっている証拠です。
患者様は、見出し(H2・H3)を読んで“読むかどうか”を決めます。
そのため、見出しで専門性と安心感を両立させることが重要です。
たとえば、
・あの優しいグリーンの小児歯科
・白と金の上品な審美クリニック
・空色の看板が印象的な矯正専門院
色が印象に残ることで、リピーターにも「また行こう」と思ってもらいやすくなります。
逆に、毎回違う色を使っていると、「どんな医院だったっけ?」と忘れられてしまうことも。
ロゴ・看板・Web・名刺・チラシの色をそろえるだけで、
プロ感がグッと高まります。
「同じトーンを保つ=医院の信頼を積み上げる」第一歩です。
5.失敗しがちな色使い3選



やっぱり色って奥が深いね…。他に気をつけることある?



あります! 多くの医院サイトでよく見る“もったいない配色”を3つ挙げますね。
→ 何を伝えたいか分からなくなります。色は多くても3色以内に。
背景が白で文字が真っ黒すぎると、目が疲れます。
ややグレー寄り(#333や#444)が読みやすいです。
→ 暖色系の写真に寒色の背景を合わせると違和感が出ます。
写真の色調に合わせて背景を微調整しましょう。



つまり、“主役を決める”のが一番大事なんです。



写真が主役なら、背景は控えめに、か。
6.色は「信頼」と「親しみ」のバランス
最後にもう一度、目的を整理しましょう。
医療サイトで大切なのは「信頼」と「安心感」。
どちらか一方だけでは、患者様の心に届きません。
例
信頼を表す色 → ブルー・ネイビー・グレー
安心感を表す色 → グリーン・ベージュ・ピンク
この2つを7:3くらいの割合で組み合わせると、バランスの取れた印象になります。
“信頼”の中に“ぬくもり”を入れるのが、患者様に選ばれる色使いですよ。
- 色の印象は3秒で決まる
- “信頼+安心”を7:3で構成
- ブルー系でも、明度と彩度でやさしく見せる
- 色数は3色まで。補色でアクセントを
- 写真・ロゴ・背景のトーンを合わせて統一感を
まとめ:色で伝わる“医院の人柄”



色だけでこんなに変わるなんて、正直びっくりだよ。



先生の医院がどんな想いで診療しているか、それを“感じ取る”のが色なんです。
デザインは“装飾”ではなく“印象を設計する”もの。
色の選び方ひとつで、「真面目すぎる」から「信頼できそう」に変わることも珍しくありません。
「患者様にどう思われたいか」――その答えを、色で表現すること。
それが、医院ブランディングの第一歩です。
文章の前に“色”が語っています。
伝わる色で、医院の魅力をもっと輝かせましょう!
→ ③記事(「清潔感×安心感を生む“医療ブルー”の使い方」)