1.なぜ「1色に絞る」と信頼感が上がるのか
パソコン苦手な院長複数の色を使うと華やかになりますが、1色に絞るほうがいい理由はあるんですか?



色は“医院の人格”をつくります。色数が多いと情報が分散して落ち着きがなくなり、信頼よりもにぎやかさが強くなります。
逆に、キーカラーを1色に統一すると印象が引き締まり、どんな媒体でも「誠実で一貫性のある医院」として記憶に残ります。
① 一目で「この医院」とわかる認知性アップ
② サイト・院内・印刷物の印象を統一
③ スタッフの“デザイン迷子”を防ぐ
2.キーカラーの決め方(理念と感情の掛け算)



色って好みで選んでもいいんでしょうか?



“好きな色”ではなく、“医院の理念”と“患者様に与えたい感情”から選びます。
たとえば、「安心・清潔」は青、「温もり・優しさ」はオレンジやベージュ、「誠実・信頼」は紺。
このように感情心理×理念で色を導くと、医院の方向性とマッチします。
| 医院の理念・方向性 | 患者様に与えたい印象 | 推奨キーカラー |
|---|---|---|
| 誠実・専門性 | 落ち着き・信頼 | #144E85(ネイビー) |
| 優しさ・癒し | 温かみ・やわらかさ | #F5B97A(オレンジベージュ) |
| 清潔・爽やか | 透明感・明るさ | #7ED2F6(アクアブルー) |
| 上質・審美性 | 気品・非日常 | #C8A65D(ゴールド) |
3.キーカラーを軸にした「3段階配色設計」



「1色だけ」だと単調に見えませんか?



完全に1色だけではなく、トーン(濃淡)で立体感を出します。
たとえば、ネイビーを基調にした場合、見出し=#144E85/ボタン=#289DD5/背景=#F7FAFC のように同系色で構成すると、統一感と深みが出ます。
濃色=タイトルや強調/中間色=ボタンやアイコン/淡色=背景や余白。
同じ系統色で「見出し→本文→背景」がグラデーションになると、統一感と深みが生まれます。
4.Web・印刷・院内装飾での色の再現方法



印刷すると、Webと色が違って見えるのはなぜですか?



WebはRGB、印刷はCMYKで表現されるので、同じ色でも見え方が違います。
そのため、キーカラーはCMYK版も用意しておきましょう。
印刷時は少し濃いめに設定すると、Webと近い印象になります。
| 用途 | 設定方式 | 備考 |
|---|---|---|
| Webサイト | RGB(例:#144E85) | 明るくクリアに表示される |
| 印刷物 | CMYK(C100 M85 Y35 K30) | やや濃く出る |
| 看板・サイン | Pantone指定 | 照明の影響を受けにくい |
5.「差し色」を使うときの注意点



アクセントカラーを入れたいとき、どのくらいまで使っていいですか?



アクセント色は全体の5%以内を目安にしましょう。
ボタンやリンクなど、目立たせたい要素だけに限定します。
同じ色をあちこちに使うと、視線が散って統一感が崩れます。
ベース色70%/サブ色25%/差し色5%(最大3か所まで)
6.SNS・院内ツールにもキーカラーを展開



Webだけでなく、SNSや名刺にも同じ色を使った方がいいですか?



はい、使うべきです。
キーカラーは医院の“信頼の印”です。
Instagram投稿、名刺、診察券、院内掲示などすべて同じ色で統一すると、
「この色はあの医院だ」と覚えてもらえます。
7.色のトーンを統一すると「世界観」が生まれる



同じ色でもトーンが違うと違和感が出ます。どう合わせれば?



色の印象は、明度・彩度・トーンの組み合わせで決まります。
淡いブルーには同じ明度のグレーを合わせるなど、明暗差をそろえると上品です。
① スクショをグレースケール化して確認
② 明暗のバランスが均一ならOK
8.スタッフと色のルールを共有する



スタッフにも色の使い方を理解してもらうには?



ルールを3つに絞って共有しましょう。
① 強調はキーカラーだけ
② 装飾・背景は同系色
③ 赤文字は禁止(警告の印象を与える)
これだけでも医院全体の統一感がぐっと高まります。
9.失敗例と改善例で見る「色の統一力」
| 状態 | 失敗例 | 改善例 |
|---|---|---|
| サイト配色 | 見出しが赤、ボタンが緑 | すべてネイビー系で統一 |
| 院内掲示 | ポスターごとに色味がバラバラ | 白+キーカラーで清潔感UP |
| 名刺・SNS | 媒体ごとに異なるトーン | 同色コードでブランド維持 |
- キーカラーは理念×感情で決める
- 濃淡・トーンで立体感を出す
- 差し色は5%以内
- 媒体すべてで同じ色を使う
- 色の統一は「信頼・清潔・医院らしさ」の象徴
次回記事のお知らせ
次回は「⑧ 背景色で“読みやすさ”をコントロール」。白やグレー、淡いブルーを使った、読みやすいサイト配色を紹介します。









