
丁寧に説明しているのに「冷たい印象」と言われてしまって…。



それは、文章が“説明”で止まっているのかもしれません。
患者様の心を動かすのは、“共感”のある言葉なんです。
「説明文」と「共感文」のちがいを知る
医療サイトでは、治療法や症状を説明する文章が多くなりがちです。
もちろん、説明は大切です。
でも、“理解されても、共感されない”文章になっていませんか?
例:
❌:「当院では最新の設備を導入し、精密な治療を行っています。」
⭕:「患者様に安心して治療を受けていただけるよう、最新設備を導入しています。」
同じ事実でも、“誰のために”を加えるだけで温度が変わる。
共感文とは、「相手を思う視点で書かれた文章」のことです。



“伝える”と“伝わる”の間にあるのが“共感”なんです。
共感文の基本は「主語を相手にする」
説明文は主語が“医院”になりやすく、共感文は主語が“患者様”になります。
この違いが、読んだときの印象を大きく左右します。
例文比較
説明文(主語:医院) | 共感文(主語:患者様) |
---|
当院では痛みの少ない治療を行っています。 | 痛みが苦手な方でも安心して受けられる治療を行っています。 |
最新のCTを導入しています。 | 精密な検査で原因をしっかり把握できるよう、CTを導入しています。 |
定期的なメンテナンスをおすすめしています。 | 治療後も長く健康を保てるよう、定期的なメンテナンスをご案内しています。 |
このように、“相手を主語に変える”だけで、文章がぐっと優しくなります。
主語が「私たち」から「あなた」へ変わるだけで、
“伝わる文章”に生まれ変わります。
感情に寄り添う“ひとこと”を添える
共感文に欠かせないのが、“感情に触れるひとこと”。
患者様の「不安」「痛み」「希望」に寄り添う言葉を加えるだけで、印象がまるで違います。
例
なるほど、説明のあとに“気持ち”を入れるんですね。
「痛みが怖いという方の気持ちを大切にしています。」
「不安を感じる方にこそ、丁寧な説明を心がけています。」
文章の最後に“思いやりの一文”を添えることで、人の心に触れる文章になります。



なるほど、説明のあとに“気持ち”を入れるんですね。



そうなんです。情報のあとに“共感”を重ねると、温かい印象になります。
「あなた目線」のフレーズを取り入れる
共感文を書くときは、“読者に語りかけるように書く”ことを意識しましょう。
「〜です」「〜します」ばかりだと一方通行になってしまいます。
悪い例
根管治療とは歯の中にある神経や血管の通り道をきれいに清掃して消毒し、再感染を防ぐために薬を詰めて密封する治療法です。
例文
「もし今、歯の痛みを我慢しているなら、早めに受診することをおすすめします。」
「鏡を見て気になる部分がある方は、ぜひ一度ご相談ください。」
このように、“あなた”を主語にしたフレーズを入れると、自然に距離が縮まります。
一文に加えるだけで、伝わり方が変わります。
共感文に「感情の色」をつける
説明文は事実を淡々と伝えますが、共感文は感情の温度を持っています。
“優しさ”“安心”“前向きさ”など、感情のトーンを添えることで印象が豊かになります
例
・「できるだけ痛みを抑えた治療」→「少しでも安心して治療を受けていただけるように、痛みを抑えた治療を行っています。」
・「歯を残す治療を行います」→「自分の歯で噛める喜びを守るために、歯を残す治療を心がけています。」
感情を含んだ言葉は、読む人の記憶に残ります。



感情を伝える”とは、感情的になることではありません。
相手の感情に合わせることなんです。
“想い”を語るときは、ストーリーで伝える
医院の理念や開業の想いを伝えるときは、“ストーリー形式”で共感を生むのが効果的です。
例文
「小さなころから通っていた歯医者さんで、怖かった記憶が残っています。
だからこそ、患者様には“怖くない歯医者”をつくりたいと思いました。」
このように、“なぜそう思うのか”の背景を語ると、
理念が“感情として伝わる”ストーリーになります。
経験や想いを語ることで、言葉が人の心に届きます。
共感文に「未来の安心」を添える
共感文の締めくくりでは、“読者が感じる安心”を予告するのが効果的です。
例文
「不安を抱えたままにせず、私たちと一緒に少しずつ解決していきましょう。」
「今よりもっと、笑顔で過ごせる毎日をサポートします。」
このような前向きな一文で終わると、患者様の心がふっと軽くなります。
“共感”は、読む人の気持ちに“希望”を灯すものです。



共感文のゴールは、“安心してページを閉じてもらうこと”。
その一言が、次のアクションにつながります。
まとめ:“伝える文章”から“寄り添う文章”へ
共感文は、情報を伝えるだけでなく、医院の想いを届ける文章です。
読む人が「この医院なら安心できる」と感じたとき、それは“共感”が生まれた証拠です。
専門用語をやさしく伝える5つのステップ
1.主語を患者様に変える
2.感情に寄り添う一文を添える
3.「あなた」目線で語りかける
4.感情のトーンを加える
5.未来の安心で締めくくる
共感とは、特別な言葉ではなく“思いやり”の表現です。
丁寧な説明のあとに、「安心してほしい」という一文を。
それだけで、伝わる文章が“心に届く文章”になります。
→ 「④ 患者様が安心する“言葉のトーン”とは?」
- アイコンと図解は“見て理解するデザイン”
- 形・意味・色の統一が安心感を生む
- 医療サイトでは複雑な情報を“視覚で翻訳”することが重要
- わかりやすさ=やさしさ=信頼につながる