目次
1.ストーリーブランディングとは?
ストーリーブランディングとは、理念・行動・成果を物語として整理し、共感で伝える手法です。
人は「理念」よりも「ストーリー」で心を動かされるため、患者様の記憶に残る医院を作る上で欠かせません。
ストーリーブランディングの3要素
- ① 背景(Why):なぜこの医院を開いたのか
- ② 挑戦(How):どのように理念を実現しているか
- ③ 成果(What):患者様・地域にどんな変化をもたらしたか
この3つを自然に語れる医院は、患者様に「この先生なら任せたい」と思わせるストーリーの力を持っています。
2.理念を“ストーリーの起点”にする
良いストーリーは、理念を中心に展開されます。
つまり「どんな想いでこの医院をつくったのか」「患者様のどんな悩みを解決したいのか」を、最初に明確にしておく必要があります。
例: 「自分の家族のように寄り添う治療をしたい」 → 開業当初の体験や、患者様との関わりを物語として語ることで、理念が生きた言葉になります。
3.患者様視点の“感情曲線”を描く
ストーリーには「起承転結」よりも、感情の変化(曲線)が重要です。
患者様が共感するのは、「困っていた状態 → 医院に出会って変化した瞬間」。
その体験を描くことで、医院の価値がリアルに伝わります。
| 構成 | 内容の例 |
|---|---|
| Before(来院前) | 「どこに行っても痛みが取れなかった」 |
| Encounter(出会い) | 「丁寧に話を聞いてもらえた」 |
| Change(変化) | 「治療を通じて自分の歯に興味を持つように」 |
| After(未来) | 「今では家族みんなで通うようになった」 |
この流れを院長インタビュー・患者様の声・SNS投稿などに応用すると、信頼を自然に積み上げることができます。
4.ストーリーを“設計”として管理する
ストーリーは一度作って終わりではなく、運用の中で更新・共有していく資産です。
特にスタッフと共有することで、医院全体で同じ方向に進むことができます。
ストーリー共有の方法
- ・院内ミーティングで「開業ストーリー」を共有
- ・採用ページに院長メッセージを掲載
- ・SNSで「患者様の変化エピソード」を発信
- ・医院の周年イベントやコラムに沿革をまとめる
物語は、“語り継ぐ文化”をつくるほどに力を持ちます。
患者様に伝える前に、まずはスタッフ全員がその物語を理解していることが大切です。
5.ぱそあんのまとめ
ぱそあんのまとめ
- ストーリーブランディングは理念を“物語”で伝える手法
- 背景・挑戦・成果の3要素で構成すると伝わりやすい
- 患者様視点の感情曲線で共感を生む
- ストーリーはスタッフと共有し、文化として育てる
次回シリーズ予告(94:医療ブランドを育てる「一貫したトーン&ボイス」)
次回は、ブランドの印象を左右する「トーン&ボイス」について解説します。
医院の“語り方”を整え、患者様が感じる信頼をさらに深めるステップです。

