1.目的:ロゴとサインを“同じ一言”で同期させる
パソコン苦手な院長ロゴの見せ方と院内サインがバラバラです…。どこから整えるべき?



まずはブランドステートメントの一言(C3参照)を軸にし、
ロゴ・色・書体・余白・コントラストをWeb/紙/サイン共通のルールに翻訳します。
- ① ロゴの最小サイズ/保護余白
- ② カラーパレット(Base/Primary/CTA/Alert)
- ③ タイポグラフィ(和文・欧文・数字)
- ④ コントラストとアクセシビリティ
- ⑤ サイン階層(屋外→屋内→室内)
2.ロゴの基本運用:サイズ・余白・背景



名刺や看板でロゴが潰れたり、息苦しく見えることがあります。



“読める・呼吸する・馴染む”の3条件を満たすと安定します。
以下の最小サイズ・保護余白・背景規定を設定しましょう。
- 最小サイズ:印刷 15mm(横組)/Web 120px 幅
- 保護余白:ロゴ高さ=
Hとし、上下左右0.25H以上を確保 - 背景:基本は白/淡色のみ許容。写真上では白ベタ or 5〜8%黒ベタを敷く
- 縦横比:固定。圧縮・伸長・回転は禁止
- 書式:印刷=AI/PDF(ベクター)/Web=SVG/PNG
3.禁止例:ぶれやすいポイントを“先回り”で可視化
- 色変更(コーポレート以外の任意色での使用)
- 縁取り・ドロップシャドウの追加/グラデ化
- 写真の複雑背景に直接配置(下地なし)
- 文字要素の差し替え・改変
「やってよい/ダメ」のビジュアル例を1枚にし、配布すると再現性が上がります。
4.色・書体を“サインにも”そのまま適用する



院内サインになると色やフォントが別物になりがちです。



Webと同じ役割別カラー(Base/Primary/CTA/Alert)と、和文:Noto Sans/欧文:Source Sans等を共通化。
数字は視認性の高い等幅系を推奨(時間・部屋番号)。
- Base:#F7FAFC(壁面/プレート地)
- Primary:#2A7CC1(主要案内・階数)
- CTA:#3BB273(受付・会計・予約窓口)
- Alert:#D64545(注意・立入禁止・感染対策)
可読性の最低基準:文字と地のコントラスト比 4.5:1 以上。
5.サイン階層設計:外→中→室内の順で迷わない



院内で迷われることが多いです。配置の考え方は?



矢印や地図より先に階層を決めます。
「外部誘導→入口認証→受付確定→フロア案内→室名表示→行動案内」の6段。
| 階層 | 目的 | サイン例 | サイズ/視認距離 |
|---|---|---|---|
| 屋外 | 来訪確認 | 建物袖看板・駐車場案内 | 文字高150mm〜/遠距離 |
| 入口 | 医院認証 | エントランスサイン・診療時間 | 80〜120mm/中距離 |
| 受付 | 目的確定 | 受付・会計・初診案内 | 50〜80mm/近距離 |
| フロア | 経路選択 | フロアマップ・矢印・階段/EV | 60〜100mm |
| 室名 | 場所確定 | 診察室・カウンセリング室 | 40〜60mm |
| 行動 | 行為促進 | 消毒・マスク・靴袋・トイレ誘導 | 30〜40mm |
フロアごとに色ストライプを1本入れると、色でも現在地が判断できます。
6.ピクトグラムと矢印:線の太さと角の丸みを統一



ピクトの雰囲気がバラけます。選定のコツは?



線幅2〜2.5px、角丸2px前後で統一。
矢印は45°/90°のみ使用。アイコンと文字の間隔は0.5文字分を原則に。
7.素材と施工:院内の“清潔トーン”を壊さない
- プレート:白アルミ複合板+マットラミ(反射を避ける)
- 壁文字:カッティングシート(艶消し)
- 床誘導:耐薬品性ステッカー(剥離容易)
- ドア:半透明フィルム+白抜きロゴ
清掃や張替えの運用もセットで規定(例:四半期点検・破損時48時間以内交換)。
8.アクセシビリティ:読みやすさ=安全性
- 文字高は視認距離の1/200以上を目安(5m→25mm)
- コントラスト比 4.5:1 以上(高齢者配慮なら 7:1 推奨)
- 床・壁サインは角を丸め、引っ掛かりや反射を抑制
- 必要に応じ点字・触知サインを併設
9.制作フロー:1枚ガイド+台紙データでブレを防ぐ



院内で更新しても品質を落とさない仕組みは作れますか?



A4一枚ガイド+編集可能データを配布します。
台紙(AI/PowerPoint)に文字を流し込むだけで誰でも同じ見た目に。
- ロゴ一式(AI/SVG/PNG、余白付き)
- 色見本(役割別/CMYK・RGB・HEX)
- 書体指定(代替フォント含む)
- サイン台紙(A3/横・A4/縦)
- OK/NG集1ページ
10.チェックリスト:掲出前の最終確認10項目
- ロゴ最小サイズを下回っていないか
- 保護余白
0.25Hを確保しているか - リンク色・CTA色が役割に沿っているか
- フォント階層(和文/欧文/数字)が統一か
- コントラスト4.5:1以上か(高齢者は7:1推奨)
- 写真や木目など強い背景にロゴを直置きしていないか
- 矢印の角度(45°/90°)が統一か
- 角処理・ラミの反射で安全を損ねていないか
- 素材選定が清掃性と張替え容易性に配慮しているか
- 案内文が“患者語”で簡潔か
11.ぱそあんのまとめ
- ロゴは「最小サイズ・保護余白・背景」を固定
- Webとサインで色・書体・役割を共通化
- サインは階層設計で“迷わせない”を最優先
- ピクトと矢印は線幅と角の丸みを統一
- 1枚ガイド+台紙データで誰でも同じ品質へ
次回記事のお知らせ(C8️⃣ 写真・動画の撮影ガイド:光・距離・構図の標準化)
次回は、院内・人物・機器の写真/動画を同じトーンで撮影するための実践ガイドを解説。
スマホでも再現できる露出・色温度・構図テンプレを共有します。









