本章では、WordPressを中心とした医療サイト運用において、
患者様の個人情報を守るために必要な技術・設定・運用ルールを整理します。
SSL設定の確認方法、フォーム送信の保護、権限管理やバックアップ体制、
さらに内部・外部の脆弱性対策まで、今日から実践できる視点で解説します。
院長「普通の企業サイトと何が違うのでしょうか?
SSLを入れていれば十分ではありませんか?



医療サイトでは「健康情報」や「来院履歴」など、
個人を特定しやすい情報を扱います。


万が一の情報漏えいは、
医院の信頼低下だけでなく、法的責任や行政指導につながる可能性もあります。
そのため、SSLだけでなく、日常の運用を含めた継続的な安全管理が欠かせません。
1.なぜ医療サイトにセキュリティが重要なのか
医療サイトで守るべき領域は、大きく分けて次の4つです。
- 通信の安全:SSL/HTTPSによる暗号化
- フォームの安全:スパム対策・同意取得・送信管理
- システムの安全:WordPress本体・テーマ・プラグイン管理
- 運用の安全:権限設定・バックアップ・端末管理
セキュリティは「設定」だけでなく、
誰が・どう運用するかまで含めて考える必要があります。
2.SSL設定の確認と更新チェック
SSL(HTTPS)は、患者様とサイト間の通信を暗号化し、
第三者による盗聴や改ざんを防ぐ基本的な仕組みです。
ただし、導入して終わりではありません。
以下のポイントまで必ず確認しましょう。
- SSL証明書の有効期限が切れていないか
- 自動更新が正しく設定されているか
- http → https へのリダイレクトが有効か
- 画像や外部ファイルが未暗号化(混在コンテンツ)になっていないか
特に混在コンテンツは、
「保護されていません」という警告表示につながりやすいため注意が必要です。
3.フォーム送信の保護と同意文の表記
お問い合わせフォームは、
個人情報が最も集まるポイントです。
SSLで通信が守られていても、
フォーム自体に次の対策がなければ十分とは言えません。
- スパム対策(reCAPTCHA・honeypotなど)
- プライバシーポリシーへの同意チェック(必須)
- 送信ログの管理と保存期間の明示
- 自動返信メールによる送信内容の確認
医療機関では、
「送信=個人情報提供」であることを明確にし、
患者様が安心して送信できる設計が重要です。
4.WordPressの脆弱性対策と更新ルール
WordPressは世界中で使われているため、
同時に攻撃対象にもなりやすいCMSです。
セキュリティ対策の基本は、常に最新状態を保つこと。
- WordPress本体は最新の安定版を維持
- 使用していないテーマ・プラグインは削除
- ユーザー名に「admin」を使わない
- ログイン試行回数を制限する
- 管理画面URLを変更する
「更新しない=リスクを放置する」
という意識を持つことが大切です。
5.バックアップと復旧体制を整える
どれだけ対策をしていても、
誤操作や障害、マルウェア感染などのリスクはゼロにはなりません。
そのため、バックアップは最初に整えるべき安全装置です。
- データベース:毎日
- 画像・ファイル:週1回
- テーマ・プラグイン構成:更新時
保存先はサーバーだけでなく、
クラウドなど別の場所にも保管するのが理想です。
6.スタッフ権限とパスワード管理
「スタッフ全員が編集できる状態」は、
セキュリティ上、最も危険な状態のひとつです。
必ず、役割ごとに権限を分けましょう。
- 寄稿者:下書きのみ
- 編集者:公開・修正
- 管理者:設定・システム管理
また、
- 共通アカウントは使わない
- 二段階認証を導入する
- 退職者アカウントは即削除
といった基本ルールの徹底が重要です。
7.セキュリティプラグインと監査ログ
セキュリティプラグインを活用すると、
不正アクセスの検知や操作履歴の記録が可能になります。
特に「誰が・いつ・何をしたか」を残す
監査ログは、トラブル発生時の原因特定に役立ちます。
「何かあってから調べる」のではなく、
普段から記録しておくことが安心につながります。
8.個人情報と法的表示の整備
技術的な対策に加え、
サイト上の法的表記もセキュリティの一部です。
- プライバシーポリシー
- 免責事項
- Cookie利用の明示
- フォーム送信時の同意文
これらを分かりやすく整備することで、
患者様に「きちんと管理されている医院」という印象を与えられます。
ぱそあんのまとめ
セキュリティ対策は、
「何かあったときのため」だけのものではありません。
- SSLは導入後の更新・混在対策まで確認
- フォームは同意取得とスパム対策をセットで
- WordPressは常に最新状態を維持
- バックアップと監査ログで“備え”を可視化
- 法的表示で安心と信頼を補強
守られている安心感は、
そのまま医院の信頼につながります。
次回シリーズ予告(24:お知らせ更新をSEOで活かす運用法)
次回は、医院ブログや「お知らせ更新」をSEOに活かす方法を解説。
「投稿の仕方」で差がつく検索評価の仕組みと、患者様に伝わる更新台本を紹介します。









