
デザインをきれいにしても、あまり反応がないんです。



もしかすると、“見た目”よりも“どう伝わるか”の部分が原因かもしれません
医療サイトの目的は、患者様に“安心”と“信頼”を届けること。
デザインの印象を整えるだけでは、その想いは届きません。
1.見た目を整えるだけでは、伝わらない理由
多くの医院がリニューアルを検討するとき、
「古くなったからデザインを変えたい」「今風にしたい」と話されます。
確かにデザインを整えることは大切です。
しかし、“見た目だけ”を整えても成果にはつながりません。
なぜなら、患者様は「デザイン」ではなく「信頼感」を求めているからです。



患者様が知りたいのは、“この医院なら自分を任せられるか”ということなんです。」
2.「誰に」「何を」「どう伝えるか」を明確にする
医療サイトは情報発信ではなく、“対話”です。
院長先生が患者様に直接語りかけるように、サイトの構成を考えましょう。
・誰に伝えたいのか(例:小児歯科を探す親御さん)
・何を伝えたいのか(例:痛みに配慮した治療)
・どのように伝えるのか(例:やさしい言葉と明るい色使いで)
これらを整理することで、デザインや文章の方向性に一貫性が生まれます。
逆に、ここがあいまいなままデザインを進めてしまうと、
「見た目は整っているのに、なぜか心に残らないサイト」になってしまうのです。
まずは、“誰に伝えたいサイトか”を明確にすること。
ここが定まると、写真・色・言葉すべての選択がブレなくなります。
3.「読みやすさ」と「導線設計」が信頼を生む
きれいなデザインよりも大切なのが、読みやすい構成とわかりやすい導線です。
患者様は「どこをクリックすればよいか」迷うと、不安を感じて離脱してしまいます。
そこで意識したいのが、3クリックルール。
トップページから3クリック以内に目的の情報へたどり着けるよう設計することです。
・トップ → 治療内容 → 予約
・トップ → 治療内容 → 予約
・トップ → お知らせ → 問い合わせ
このように“行きたい場所が自然に見つかる構成”は、
患者様の安心感と信頼感を高めます。



確かに、迷うサイトは読む前に諦めてしまいますね。



そうなんです。“読みやすさ”こそ最大のデザインです。
4.写真・文章・色の「一貫性」が信頼を生む
デザインの中で最も伝わるのは、一貫性のある印象設計です。
優しい言葉を使っているのに、写真が冷たい照明だったり、
明るいカラーを使っているのに文章が堅苦しかったり――
このような“ズレ”があると、患者様に迷いが生まれます。
たとえば、「地域に寄り添う温かい医院」をテーマにするなら
・自然光のある明るい写真
・パステル系の落ち着いたブルーやグリーン
・柔らかい言葉づかい
これらを統一することで、医院の理念そのものをデザインで表現できます。
雰囲気や言葉のトーンが一致しているほど、
患者様は「この医院、感じがいいな」と安心します。
5.コンテンツ構成で「安心感」をデザインする
医療サイトでは、ページの内容そのものも“デザイン”の一部です。
たとえばトップページには、次のような要素を整理して入れましょう。
・院長あいさつ(理念・想い)
・3つの特徴(何を大切にしているか)
・写真付きの院内紹介
・予約・アクセスへのボタン
これらをシンプルに配置することで、患者様の理解スピードが上がり、信頼感が深まります。



見た目を飾るより、“迷わず安心できる”構成が何よりのデザインなんです。
6.. 院長の想いを「言葉」と「構成」で伝える
多くの患者様が最も注目するのが、院長紹介ページです。
そこには経歴だけでなく、“なぜこの地域で診療しているのか”という想いを入れましょう。
・「開業当初から大切にしていること」
・「患者様との関係づくり」
・「診療で心がけている姿勢」
こうしたエピソードがあると、デザインだけでなく言葉の中に人柄が伝わるサイトになります。
デザイナーが作るだけのページではなく、“医院全体の想いがにじむページ”を目指しましょう。
文章とデザインを通して院長先生の姿勢が伝わるサイトこそ、選ばれる医院になります。
7.「更新されている」ことで信頼を守る
どんなに美しく仕上がっていても、更新が止まっているサイトは信頼を失います。
「お知らせ」が半年前のまま、「スタッフ紹介」が古い写真のまま…。
小さなことでも、患者様には“今も元気に診療している医院”というメッセージになります。
特に医療分野では、感染症対策や診療時間変更など、情報の鮮度が信頼に直結します。
月1回でもいいので、定期的な更新を“デザインの一部”として取り入れましょう。
8.“伝わるデザイン”は、理念から始まる伝わるデザイン”は、理念から始まる
最終的に、デザインで最も大切なのは理念との一貫性です。
どんなに高級感のあるサイトでも、理念とかけ離れていれば違和感が生まれます。
たとえば、「誰でも通いやすい地域の歯科医院」という理念なら、
派手な装飾よりも「親しみ・清潔感・わかりやすさ」が重要。
一方で「高度医療に特化した専門クリニック」なら、
「精密・洗練・信頼性」を意識したトーンが求められます。
デザインは理念を“見える形”にする翻訳作業。
そこに「伝わる力」が宿るのです。



結局、デザインって想いを形にする作業なんですね。



はい。きれいさではなく、“医院らしさ”をどう伝えるかが鍵です。なんです。“読みやすさ”こそ最大のデザインです。
- 誰に・何を・どう伝えるかを明確にする
- 読みやすく迷わない導線を設計する
- 写真・色・言葉の一貫性で医院の想いを形にする
9.最後に
“見た目”は、信頼を伝えるための入り口。
けれど、その奥にあるのは、「医院の姿勢」や「想い」です。
見た目の美しさだけにとらわれず、「患者様が安心して通える構成」を考える。
それが本当の意味での、“伝わる医療サイトデザイン”です。
→ 「③ 患者様が迷わない導線づくり|初めての方ページで差がつく」