1.「予約導線」は“行動心理”から設計する
パソコン苦手な院長ボタンはあるのに、予約まで進まないことが多いです。どこを改善すればいいですか?



患者様は「迷った瞬間に離脱」します。
予約導線は“心理的距離を縮める順番”で設計します。
トップ→診療科→院内紹介→予約という階層を、どの段階でも“今すぐ行動できる選択肢”として配置しましょう。
- 認知段階:「予約はこちら」よりも「診療の空き状況を見る」で軽く誘導
- 比較段階:他院と迷っている時は「LINEで相談」「質問を送る」でハードルを下げる
- 決定段階:ボタン色を統一し、ファーストビュー・フッター・診療科下部に固定配置
2.予約ボタンの配置ルールと色設計
予約ボタンの位置・サイズ・色はUXに直結します。特にスマホでは親指の可動範囲(画面下1/3)を意識し、固定フッターに設置するのが鉄則です。
色はサイト全体のアクセントカラーの中でも「行動色」として統一。複数の色を混ぜると迷いを生みます。
- ・ヘッダー右上と固定フッターに常設(どのページでも1タップ導線)
- ・本文中には「説明→行動」型のボタン(例:治療法→予約)
- ・色は医院のブランドカラー内で統一(例:信頼の青系/安心の緑系)
3.LINE連携:来院前の不安を解消する“第2の受付”



LINEを入れても、何を配信すればいいか分かりません…。予約が増えるのでしょうか?



LINEは「配信」よりも“会話型予約導線”として使うのが効果的です。
予約・質問・リマインドをまとめて行うことで、電話の負担を減らしつつ、来院率を上げられます。
- ・来院前の質問受付(自動返信で安心感)
- ・リマインド配信(前日通知でキャンセル防止)
- ・治療後のフォローメッセージ(次回予約へ誘導)
- ・画像・動画でのセルフケア案内(再診率向上)
4.WordPress×LINE公式アカウントの接続方法
公式LINEを活用するには、まず友だち追加ボタンとLINEミニアプリ/フォームの導線を組み合わせます。
WordPress上では、外部予約システム(EPARK・デントネット等)やフォームリンクをCTAとして組み込み、クリック数を計測できるようにしておきます。
| 導線パーツ | 設置場所 | 目的 |
|---|---|---|
| LINE友だち追加ボタン | トップ・アクセス下・診療科下部 | 軽い接点づくり(資料請求・質問) |
| LINE自動応答メッセージ | 予約/相談トリガー | AI案内で夜間も対応 |
| WordPressフォーム | 固定ページ(予約・問い合わせ) | メール連絡のバックアップ導線 |
| ミニアプリ予約 | LINEトーク画面 | 即時予約・日程変更の簡略化 |
5.ボタン文言の心理効果とABテスト
「予約する」よりも「空き状況を見る」の方がクリックされやすい――。
心理的ハードルを下げる表現がUX改善の鍵です。
CTA文言はABテストで最適化し、数字で判断しましょう。
| パターンA | パターンB | CTR比較 |
|---|---|---|
| 予約する | 空き状況を見る | B+18% |
| 相談する | LINEで質問する | B+12% |
| 電話する | 今すぐ相談したい | B+9% |
6.データで見る改善ポイント:CVR×行動データの可視化
Google Analytics 4とSearch Console、LINE公式の管理画面を連携し、クリック・離脱・予約完了の流れを数値化。
特にスマホ比率・到達ページ・CVRの3指標をセットで見ると、ボトルネックが明確になります。
- ・スマホ/PC別の予約CVR
- ・クリック率(ボタン別)
- ・離脱ページTOP3
- ・LINE経由の来院率(友だち→来院)
7.医院スタッフを巻き込む運用体制
現場スタッフがLINE・予約運用を理解していないと、せっかくの仕組みも機能しません。
運用マニュアルを共有し、毎月「LINE返信率」「未対応件数」を確認する仕組みをつくりましょう。
| 項目 | 週次チェック | 担当 |
|---|---|---|
| LINE返信対応時間 | 平均2時間以内 | 受付 |
| 未返信件数 | 0を維持 | 広報 |
| 予約完了通知エラー | システムで検知 | 管理者 |
8.ぱそあんのまとめ
- 予約導線は心理順序×行動距離で設計する
- LINE連携は“配信”でなく会話型導線として運用
- ボタン色・位置・文言の統一で迷いを防ぐ
- GA4とLINEのデータ連携で改善を数値化
- 現場スタッフと共有する運用マニュアルが鍵
次回シリーズ予告(23:医療サイトのセキュリティ・SSLチェック)
次回は、SSL設定・フォーム保護・バックアップ体制など、医療情報を守るセキュリティ設計を徹底解説します。
「安全で信頼できる医療サイト」の基盤を築くチェックリストを公開します。









