目次
1.目的:写真を“理念のトーン”で統一する
パソコン苦手な院長プロに撮ってもらった写真と、自分で撮る写真の雰囲気が全然違ってしまいます。



違いの原因は光と距離と構図。
この3つをマニュアル化すれば、誰が撮っても「医院らしい写真」になります。
理念で定めた“温度感”をそのまま再現するのが撮影ガイドの目的です。
撮影ガイドで統一すべき3要素
- ① 光:明るさ・色温度・影の方向
- ② 距離:被写体との間隔・焦点距離
- ③ 構図:目線・角度・背景の余白
2.光の設計:清潔感を生むのは“やわらかい面光源”



蛍光灯の下だと、顔が暗く写ったり影が強く出てしまいます。



医療写真の基本は自然光+面光源。
窓の光を活かし、白壁をレフ板代わりにして柔らかく照らします。
天井からの直光や強い陰影は避けましょう。
光の設定ポイント
- ・色温度:5,000〜5,600K(青すぎず黄すぎない)
- ・露出補正:+0.3〜+0.7で明るめに
- ・光の方向:斜め45°前方から(陰影で立体感を)
- ・逆光時:被写体に白紙を当ててレフ効果を
3.距離と焦点:安心感は“寄りすぎない”バランスで



スマホで近づいて撮ると、顔が歪んでしまいます。どうすれば自然になりますか?



歪みの原因はレンズの距離。
35〜50mm(スマホ1〜1.5倍ズーム)が最も自然。
人物は胸上~上半身を目安に、背景を3割ほど残すと“空気感”が出ます。
焦点距離の目安(人物・院内)
| 被写体 | 距離 | 構図のポイント |
|---|---|---|
| 院長・スタッフ | 1.2〜1.5m | 目線の高さ+背景3割 |
| 院内設備 | 1.5〜2m | 広角でなく中望遠/歪みを防ぐ |
| 治療風景 | 2〜3m | 表情・手元をバランス良く |
4.構図と目線:信頼は“まっすぐ+やさしい角度”で伝わる



カメラ位置を変えるだけで印象が違います。正しい角度はありますか?



カメラは目線と同じ高さが基本。
上から見下ろすと圧迫感、下から見上げると威圧感が出ます。
軽く斜め30°+被写体中央を目線に合わせると、自然な信頼感に。
おすすめ構図3パターン
- ① 三分割構図:目線を上1/3ラインに配置(安定感)
- ② 対角構図:診療風景で動きを出す
- ③ シンメトリー構図:受付・外観などで整然とした印象
5.動画撮影:手ブレと音が“信頼感”を左右する



リールや紹介動画を撮るとブレが気になります。どうすれば安定しますか?



三脚+スマホジンバルを併用すれば、滑らかな動きが撮れます。
さらに自然音+ナレーション+字幕を組み合わせると、落ち着いた信頼トーンに仕上がります。
動画撮影の基本設定(スマホ)
- ・フレームレート:30fps固定(60fpsは速すぎる印象)
- ・解像度:1080p(4Kは容量過多)
- ・音声:マイク付きピンマイクを使用
- ・露出:やや明るめ+0.3/手ブレ補正ON
6.撮影前のチェックリスト
- レンズとカメラの位置を水平に
- 背景のポスター・コード・荷物を整理
- 光源の色温度を統一(蛍光灯+自然光の混在NG)
- 患者様が写る場合は必ず同意を得る
- 撮影データは医院専用クラウドで管理(個人スマホ保管NG)
7.SNS・Webでの掲載ルール
医療広告ガイドライン(B5参照)に従い、治療効果・比較・保証表現は避けましょう。
紹介目的の場合は「院内の様子」「スタッフ紹介」「設備紹介」など、情報的価値を優先します。
8.ぱそあんのまとめ
ぱそあんのまとめ
- 光・距離・構図を統一すれば医院の“声”が揃う
- 自然光+面光源+柔らかい影で清潔感を演出
- 人物は胸上構図・焦点距離35〜50mmが自然
- 動画は30fps・1080pで滑らかに撮影
- 撮影データは医院で管理し、掲載は情報目的で
次回記事のお知らせ(C9️⃣ 院内掲示・パンフ・Webを繋ぐ“情報設計の統一”)
次回は、Webと院内掲示・パンフレットを同じ構成で繋げる情報設計の統一を解説します。
一貫したトーンが医院の信頼と印象を大きく変えます。

